時代の流れによって変化する葬儀のカタチ。家族葬はどうして人気なのか

ふと町を見渡せば、「家族葬専用ホール」を謳う建物がいくつも視界に入ります。
それほどまでに家族葬が人気ということが分かりますが、どうして家族葬は人気なのでしょうか。

それは、時代の流れによって変化する葬儀のカタチと、求められるニーズの変化がありました。
今回は、新しい葬儀のカタチ家族葬がなぜ人気なのかについて、内閣府のデータを参考にご紹介いたします。

少子高齢化で増え続ける葬儀の数

1990年代から日本は子供の数が減り、高齢者の数が多くなる「少子高齢化社会」に突入しました。
内閣府が発表した「平成29年版高齢社会白書(概要版)」によると、平成28年(2016)年10月現在の総人口1億2,693万人のうち、65歳以上の高齢者は3,569万人。人口の割合としては、全体の約28%が高齢者ということが分かりました。

高齢者の数が増えることで高齢者の死亡件数が年々増加しており、平成26年では約127万人が事故や病気などで亡くなり、過去10年の高齢者の死亡件数は25%増加しています。
【参考】公正取引委員会「葬儀の取引に関する実態調査報告書」

これにより葬儀の件数も年々増加していて、比例するように葬儀業者も増え続けており、葬儀の形も時代のニーズに合ったものへと変化を遂げています。
では、これまでの葬儀とどのような点が変わったのでしょうか。

時代のニーズに応えた家族葬が人気のワケ

親族など身内だけでなく、故人と親交があったさまざまな立場の人を広く呼んで執り行う一般葬が従来の葬儀の形として当たり前でしたが、現在では故人と親しかった親族や家族などのみで執り行う「家族葬」や、病院や施設などご逝去された先から火葬場まで直接搬送する「直送」が増加傾向にあります。
では、どうして家族葬や直送が人気を集めているのでしょうか。

1.最小限の手間で執り行えるから

家族葬が選ばれる理由の一つに、手間の少なさが挙げられます。
通常葬儀は準備やあと片付け、弔問客の対応などに追われて故人とゆっくり別れの時を過ごす間もなく過ぎ去るものですが、家族葬では限られた人数で1日~2日で行うため、準備を最小限にすることで、ゆっくりと故人との最期の時間を過ごすことができます。

2.少ない費用で執り行えるから

必要最小限のホールや祭壇などで執り行うため、家族葬は葬儀にかかる費用を安く抑えられるというのも人気の理由です。
一般葬の相場が100~200万円以上なのに対し、一般葬と比べて小規模な家族葬は50~100万円程度で葬儀を執り行うことができます。
遺された家族への経済的な面や、故人の資産の都合などで家族葬を選ぶ人も多く、費用の面でも最小限で済むというのが人気の理由です。

3.自由な葬儀が可能だから

自分の希望通りに人生の幕をおろしたいと願う方が増えており、「終活」や「エンディングノート」などに家族葬で見送ってほしいと希望する方が増えています。
家族葬ではある程度作法や流れが決まっている一般葬とは異なり、葬儀の流れや会場のセット・祭壇の種類などを自由に決めることができます。
家族葬は新しい葬儀のカタチなので、葬儀としての型に縛られない柔軟な演出が可能。
受付近くに故人が愛用していた趣味の道具などを飾ったり、故人が好きだった花や、ガーデニングをイメージさせるようにあしらった祭壇が用意できるなど、故人が生前に自由な葬儀を考えられるというのも、家族葬が人気の理由です。

家族葬と同じく直送も増えている

人生の最期は家族や友人に見送ってもらいたいと望む方が居る一方、自分が亡くなった後にこだわらないという方も増えています。
直送は病院や施設などご逝去されたところから直接火葬場までご遺体を搬送する葬儀のかたちで、これ以上ないコンパクトなお葬式のカタチです。

直送は10万円程度から執り行えるという費用面のメリットが大きいので、遺された家族へ経済的な負担を減らしたい方や、遺す資産を多くしたいという方に選ばれています。
また、無宗教の方も増えているので、宗教の型式に則った葬儀を必要としない方にも一定の需要があるようです。

葬儀会社の年間売上高は家族葬が70%近く

家族葬が人気と言っても、どれくらい人気なのでしょうか。
葬儀の多様化と小規模化に対し、大規模な一般葬が減少し、小規模な家族葬が増加しているので、葬儀の数と売り上げが比例せず、売り上げは減少傾向にあります。

その中で、増加傾向にある家族葬は、多くの葬儀会社の年間取扱件数が50%を超え、家族葬や直送が年間売り上げの70%近くを占めている、というデータもあります。
また、これまで一般葬を中心に執り行っていた大手葬儀会社も、家族葬にスポットを当てた事業を展開し始めていることも、家族葬の認知度を高めている要因だと言えるでしょう。

まとめ

少子高齢化社会と時代の変化による葬儀に求められるニーズの変化によって、家族葬が人気です。
今回ご紹介した変化の推移で分かるように、家族葬や直葬は現代では、遺された遺族や親族に理解される葬儀のカタチだと言えるのではないでしょうか。

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